【双葉みらいラボ3周年】みらいラボで実現したい、あなたの夢は?
■ 双葉みらいラボ3周年感謝祭
認定NPO法人カタリバは、福島県双葉郡広野町にある福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校の生徒を対象に、被災地の子どもたちを支援する「コラボ・スクール 双葉みらいラボ」を運営しています。
双葉みらいラボは2017年9月20日、専用のプレハブ校舎を高校の隣接地にオープンし、2019年4月、ふたば未来学園の新校舎への移転と共に、現在のふたば未来学園校舎内の「地域協働スペース」に活動場所を移しました。
オープン当初は1日50人前後の生徒が来館していたみらいラボですが、現在では1日100人を超すことも珍しくなく、数多くの生徒が大学生に勉強を教えてもらったり、地域の大人の方々と地域での活動相談をしたりと、成長の場として日々を過ごしています。
そして2020年9月23日から約1週間にわたり、みらいラボの歴史を改めて学びながら、みらいラボでのさまざまな出会いや挑戦を振り返り、みらいラボを支えてくれている人たちへの感謝を考える、「双葉みらいラボ3周年感謝祭week」を生徒たちと開催しました。
■ みらいラボを「知る」
普段、何気なく利用しているみらいラボ。
そんなみらいラボも最初から今の形があるわけではなく、思いを共有しながら議論を重ねてきた生徒や先生、地域の方々、その思いに共感して寄付をしてくださった企業や一般の方々がいて初めて、現在のみらいラボができあがった歴史があります。
そこでみらいラボの歴史を知るためのキッカケづくりとして、みらいラボの施設内各所に、生徒が楽しんで学ぶ「双葉みらいラボ3周年感謝祭クイズ」、見ることで分かる「写真で振り返るみらいラボの歴史」、言葉から思いを受け止める「双葉みらいラボを応援してくれるサポーター」のコーナーを設置することで、生徒や先生、そして運営スタッフ自身もみらいラボの歴史を振り返る良いキッカケとなりました。
また、生徒たちと一緒につくりあげた「みんなにとってみらいラボってどんな場所?」という質問ボードには、たくさんの生徒たちから「成長できる大切な場所」「いろんなことを相談できる大切な場所」「何でも話せて、楽しく、落ち着く場所」といった声が挙がり、改めてこのみらいラボが生徒たちにとって大切な場所であることを再認識させられる良い機会でした。
■ 過去から未来を「考える」
「双葉みらいラボ3周年感謝祭week」のラストとなる9月29日には、カタリバスタッフとみらいラボをよく利用している生徒たちが集まり、イベント「双葉みらいラボ3周年感謝祭」を開催しました。
イベントの始まりはみらいラボの過去の歴史の振り返りから。
まだ学校の技術室を借りていた時の写真や、「双葉みらいラボ」の名称を決める際に生徒や先生たちから出た候補案、カフェふぅのオープン記念式の写真が出てきて、初めて当時を知る生徒からは笑い声が起こったり、当時の自分の写真が出てきた生徒たちは恥ずかしがるなど、各々がみらいラボの歴史を楽しんでいました。
そしてみらいラボに寄付をしてくれた企業の紹介。
生徒達から次々と「あの会社知ってる!」「こんな有名な会社が寄付してくれているとは知らなかった!」と驚きの声が挙がり、改めて自分たちが知っている有名企業や身近に利用している企業がサポートしてくれていることを実感した様子でした。
そしていよいよイベントのメインコンテンツ「カタリ場」。
みらいラボスタッフはこの日に向けて数日前から「人生グラフ」を準備していて、ドキドキしながらこの日を迎えました。それもそのはず、普段、生徒から悩みや相談、過去の失敗談などを聞く機会は多くても、スタッフから生徒に向けて過去の失敗談や成功談を話す機会があまりないからです。
各グループの発表が始まると、スタッフが生徒に対して本気で伝えたい思いが詰まった「人生グラフ」だからこそ、その思いが伝わったのか、生徒たちもいつも以上にスタッフの話に集中していて、過去のツラい経験に共感したり、立ち直った話に勇気をもらったりなど、スタッフの話を真剣に受け止めていました。
その後のスタッフと生徒との対話では、生徒から「自分も過去にいじめられた経験があったけど、先生が助けてくれたおかげで学校が楽しくなった!」「先生に部活で褒められた時に、期待されていると感じてやる気になった!」など、生徒自身の過去の変化のキッカケを話してくれました。
■ 「当たり前の日常」への感謝。みらいラボ、そして未来の自分へ向けて
感謝祭も遂に終盤を迎え、最後はご支援いただいている皆様からのメッセージを紹介したうえで、改めて思い返した支援への感謝やみらいラボ、そして未来の自分自身に向けて、各々の思いや目標、宣言をメッセージカードに書きました。
以下、生徒からのメッセージの紹介です。
「私達がいつも勉強や探究活動に集中して取り組めているのは、たくさんの方々の協力があるからこそであると改めて実感しました。そのことを忘れずに、みらいラボを有意義に活用していきたいです。」
「この半年で、勉強も自分のやりたいことへの気持ちが高まりました。多くの人が支えてくれていることを忘れずに夢に向かって挑戦・実験していきます!!」
「私はラボを利用していて、やる気がでたり、安心したりできる場所だなと思いました。ここがあるからこそ、できること、挑戦できることがあります。これからもお世話になります!!」
大学生に勉強を教えてもらったり、友達同士で勉強を教え合ったり、地域の方に課外活動を手伝ってもらったり、友人関係の悩みを聞いてもらったり、ちょっとした日常の息抜きをしたりと、生徒のみらいラボでの過ごし方は人それぞれです。
そして生徒の日々の成長やみらいラボへの期待の変化に合わせるように、みらいラボという場も成長し変化していきます。
「双葉みらいラボ」という名前に込められている想い「子どもたちが自分たちの未来をつくるための実験の場」としての役割を果たせるように、これからも生徒と一緒になってお互いに成長し合えるようなみらいラボをつくっていきたいと思います。