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【熊本コラボ・スクール】職場体験学習ー地域の方とつくる面接ー

2018.6.28

こんにちは。

熊本の益城町より、実践型インターンシップの松本笑がレポートします。

熊本コラボ・スクールは、熊本地震で大きな被害をもたらした益城町内の中学校で、学校行事などのサポートを行っています。今回は木山中学校の職場体験のお手伝いをさせて頂いた中で印象的だった、「面接」の様子をレポートします。職場体験学習の対象となる2年生は、地震後に熊本コラボ・スクールが支援を始めて以降、毎年、事前授業で面接を取り入れています。この面接は、将来について考え始め、マナー面の学習や自分の言葉で受け答えをする大切な機会となります。また、この経験が中学生の将来、受験や就職活動の面接の基礎となります。

 

今年度の新たな取り組みは、「地域の方とつくる面接」です。

今年度4月より、熊本コラボ・スクールの井下が、木山中学校の学校運営協議会のメンバーに着任した関係もあり、地域の方と一緒につくり上げる職場体験にしたい、という思いがありました。そこで、今回は地域ボランティアの方に面接官役をしていただきました。面接官の経験がない方もいらっしゃるので、打ち合わせも念入りでした。今回の面接の意図は選考のための面接ではなく、中学生が職場体験を通して成長するための決意表明の場という意味合いがあります。

 

生徒たちも直前まで練習を重ね、本番ではとても緊張している様子でした。面接では志望動機や自己PRはもちろん、それぞれの生徒に合わせたより深く考えるような質問を多く投げかけていただきました。大学生の私でさえ、答えに困るような質問もありました。しかし、生徒たちは一生懸命に答えていました。面接後は「途中で言いたいことが言えなかった」「自分で考え、自分らしい答えが言えた」と自分の良かったところ、できなかったところを振り返っていました。

 

今回、地域ボランティアとして面接官を引き受けてくださった、磯部さんにお話をうかがいました。

「地震の年に、中学校3年生だった娘が学習会でお世話になっていました。ご支援をいただくばかりで、私にも何かできないかなと思っていたところ、地域ボランティアとして面接官をしてもらえないかとお声をかけていただき、手伝いたいと思い引き受けました。面接をする側に立つこと自体が初めてでした。こどもたちが夢を語れるところが本当に素敵だと思います。生徒が面接官の目をしっかりと見て、質問に応えているので、頑張っているのがとても伝わってきました。」

 

今回が「地域でつくる面接」の第一歩です。地域と学校が共に協力して教育について考えるということが、「共育」になるのではないでしょうか。

地域、学校、生徒が互いに学びあい、共に育つのだと思います。

面接の前、生徒も緊張していましたが、地域ボランティアの方も緊張していました。面接官という経験がない、年の離れた生徒たちの様子がわからない、など様々な不安があったと思います。面接の中で、生徒が自身について考られるように生徒へ質問やメッセージを投げかけてくださいました。面接を終え、生徒の実際の声を聞き、「こちらもいい刺激になりました」と感想を言ってくださった地域ボランティアの方もいらっしゃいました。地域の方にとっても学校が学びの場になっていれば幸いです。

これからもこの職場体験という行事を機に地域との繋がりが続くことを信じています。中学生にとってもかけがえのない経験になりますように。