【被災地・熊本より】2018夏の勉強合宿~暑い夏の中の発見~
実践型インターンシップの松本笑がレポートします。
熊本県益城町では熊本地震から3年目の夏を迎えました。
認定NPO法人カタリバが熊本で行っている、被災地の放課後学校「コラボ・スクールましき夢創塾」では、8月3日から5日の2泊3日、勉強合宿を行いました。地震が起きた当時(2016年4月)は中学校に入学したばかりの中学1年生が今年中学3年生となって参加しました。
テーマは「発見~自分への発見・相手への発見・『わかる』を見つける・新たな楽しみを~」です。自分と向き合い、人から学び、できる喜び、スマートフォンやゲームではない余暇の過ごし方を考える合宿です。勉強合宿という名目ですが、ひたすら勉強するのではなく受験を控えている中学3年生がより受験勉強に集中できる環境になることを目指しています。
△まずは自己紹介や体を動かすレクリエーションを行いました。スタッフも生徒もお互いのことをいつも以上に理解することで、ここからの3日間、良い場を作っていくための下地づくりです。
△夜は自習タイム。みんな集中していました。自習後は手作りプラネタリウムを皆で楽しみました!
△2日目はワークショップと自習。高校生の先輩も応援に駆け付けてくれました。高校生たちは、自分たちが受験生の時抱えていた悩みや現在の高校生活の話をしてくれました。
△先輩の話を聞いた後はみんなが2年後(高校2年生になったとき)どうすごしているかを想像し、そのために今できることを話し合いました。
△夜ごはんはBBQ。自主的に準備や片付けを行っていました。生徒の主体性にスタッフも驚かされました。
△課題を終わらせる子、受験対策をする子。それぞれ勉強に励みました。
△最終日は大学生スタッフと生徒でペアを組み対話の時間をとりました。将来のことを話しているペアも。恥ずかしくて普段は言えない「ありがとう」を伝え合うペアも。お互いの好きなものを共有しているペアなど様々なことを話し合っていました。
△「皆で何かをつくるって楽しい。皆で1つのものをつくりたい」と一人の生徒から声があがりました。その子が主体となり、合宿に参加した生徒、スタッフ全員に協力を呼びかけました。合宿の思い出をそれぞれの手形の中に残しました。一人の生徒の声から生まれた皆の想いが詰まった素敵な作品です。
△最後は合宿で発見したこの夏、皆で大切にしたいこと、目標を習字で書きました。なかなか目標が決められない子には友達が相談に乗る場面も見られました。
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普段の「コラボ・スクールましき夢創塾」では、仮設住宅の集会所を夜間お借りして学習会を実施しています。学習会の中で、「勉強って意味ある?」「なんで勉強しないといけないの?」という声を聞きます。
その問いに正解があるかは私もわかりません。ただ、正解はなくても自分なりの考えをつくることはできるのではないでしょうか。自分で考えるということは疑問が生まれるところから始まるものだと私は考えます。正解があるのか分からない問いに向き合い、自分なりの考えを見つけてほしいです。それが生徒たちの【ちから】になり、【財産】になるのではないでしょうか。
まだ暑い日の続く熊本ですが、静かに秋が近づいてきました。夏休みが過ぎ、新しい学期のスタートです。