【被災地・熊本より】新しいことを知る楽しさを伝えたい~ある大学生ボランティアの思い~
認定NPO法人カタリバが運営するコラボ・スクールましき夢創塾では益城町にある2つの仮設団地の集会所で夜間学習会を行っています。
2016年4月に起きた熊本地震。街中の道路などは徐々に整備されています。しかし、依然として仮設団地に住みながら学校に通っている中高生が沢山います。ましき夢創塾では突然変わってしまった日常の中で中高生が安心して学べる場、過ごせる場を提供しています。
今回は学習会の様子と1日限りの特別な講座について実践型インターンシップの松本笑がレポートします。
夜間学習会には益城町に住んでいる中学生と高校生が通っています。
学習会には近隣の大学に通う、ボランティアスタッフが約20名関わってます。
生徒たちが分からない問題はボランティアに来ている大学生が質問対応にあたります。時には思春期特有の悩みを聞くこともあります。私たちが大切にしている少し年上の先輩との「ナナメの関係」です。
▲学習会の最中には高校生が高校受験をひかえた中学3年生に勉強を教えることもあります。普段から中高生が同じ場所で共存しているからこそ、見られる風景です。
ただ椅子に座って勉強するだけではなく、楽しく勉強ができるように大学生スタッフで話し合いながら日々工夫をしています。
そんな夜間学習会で一日限りの特別な夜のイベントを開かれました。
それは【韓国語講座】です。学習会に来ている生徒の中で、学校の勉強は少し苦手な子がいました。ですが、韓国語にはとても興味を示し、自分で韓国語の学習に取り組み始めました。その姿を見た大学生ボランティアのうちの一人が中心となって【韓国語講座】を開きました。「生徒の興味関心を伸ばす手伝いができないか」という想いがきっかけです。
当日には韓国から日本に留学している大学生も手伝いに来てくれました。生徒の間ではK-POPが流行っていることあり、皆、興味津々。
名前や好きなものを韓国語で書く練習をしました。最終的には発音の仕方まで教わって隣同士で会話の練習をしている生徒もいました。
最初は照れながら参加していた男子生徒も「アクアリウムが好きって書いたんだ」と嬉しそうに報告してくれました。
最後に韓国語講座を企画した熊本の大学に通いながらコラボ・スクールのボランティアをしている松尾からのコメントです。
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私自身、このような企画を自分が主催となってゼロから作り上げるのは初めての試みでしたが、生徒たちに「新しいことを知るという楽しさ」を感じてもらえる機会を作ることができて嬉しいです。
また、普段は消極的な生徒も意欲を見せてくれたり生徒と大学生が対等な立場でお互いに教え合ったりなど、中学生と大学生のコミュニケーションのツールとしても良い企画になったと思います。
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日常の中の特別な授業。「自分の興味関心を伸ばす」「知らなかったことを知る」その機会を届けられるようにスタッフも挑戦し続けたいです。