最新のお知らせ

【双葉みらいラボ4周年】応援してくれる人の思いを受けとめ、未来を描く

2021.10.05


■ コロナ禍で迎えた、双葉みらいラボ4周年

認定NPO法人カタリバは、福島県双葉郡広野町にある福島県立ふたば未来学園中学校・高等学校の生徒を対象に、被災地の子どもたちを支援する「コラボ・スクール 双葉みらいラボ」を運営しています。

双葉みらいラボは2017年9月28日、専用のプレハブ校舎を高校の隣接地にオープンし、2019年4月、ふたば未来学園の新校舎への移転と共に、現在のふたば未来学園校舎内の「地域協働スペース」に活動場所を移しました。

みらいラボでは1日50人程度の生徒が来館し、大学生に勉強を教えてもらったり、地域の大人の方々と地域での活動相談をしたりと、成長の場として日々を過ごしています。

そして2021年9月28日から3日間にわたり、みらいラボでのこれまでの歴史や出来ごとを振り返り、みらいラボを支えてくれている人たちへの感謝を考える、「双葉みらいラボ4周年感謝祭week」を生徒たちと開催しました。

毎年の感謝祭では、イベントを開催して生徒と一緒にお祝いしますが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、イベント開催は断念を余儀なくされました。代わりに、双葉みらいラボのこれまでの歴史や活動や、寄付や日々の活動に協力してくださっている方々をより知ることができる装飾を掲示し、4周年をお祝いしました。


■これまでの活動や出会いを振り返る「4周年感謝祭week」を開催

普段、何気なく利用している、みらいラボ。

そんなみらいラボも最初から今の形があるわけではなく、思いを共有しながら議論を重ねてきた生徒や先生、地域の方々、その思いに共感して寄付をしてくださった企業や一般の方々がいて初めて、現在の形ができあがった歴史があります。

今回の感謝祭Weekでは、足跡を辿るとこれまでのみらいラボの歴史が分かる「歴史すごろく」を設置し、生徒と楽しみながらこれまでの歴史を振り返りました。頭上から写真もつるし、当時の様子も分かるようにしました。生徒たちは、マスを1歩進むごとに頭上の写真を見上げ、「こんな取り組みがあったんだ!」「このイベントに私も参加したよ!」と話しながらマスを進めていました。


また、「Googleストリートビューで見るプレハブ校舎時代のみらいラボコーナー」では、生徒が実際にiPadを操作し、今はなき「旧・双葉みらいラボ」を疑似体験しました。「これがみらいラボ!?」と驚きながら、現在との違いを話しながら楽しんでいました。


寄付者の方々や歴代スタッフなど、これまでのみらいラボを支えてくれた多くの人たちの紹介する「双葉みらいラボを応援してくれるサポーター」のコーナーを設置しました。

企業や、個人の寄付者のコメントを見た生徒達からは「こんな有名な会社が寄付してくれているとは知らなかった!」と驚きの声が上がっていました。改めて自分たちが知っている有名企業や身近に利用している企業がサポートしてくれていることを実感した様子でした。

寄付をしてくださった方以外にも、学校の先生や地域の人など多くの人たちによって、みらいラボは支えられてきました。

また、この4年間で双葉みらいラボで活動をしたスタッフはなんと31名以上!日本全国から集まったスタッフがいたからこそ、みらいラボの運営を4年間も続けることができています。生徒の中には、「○○さんがいたから、勉強や探究活動を頑張ることができました」と、スタッフとの思い出を話してくれる子もいました。

双葉みらいラボを高校時代によく利用してくれていた卒業生4名から、生徒に向けての応援コメントをもらいました。「みらいラボは多くの人と関わって、人として成長できた場所です」「高校3年間は早すぎるので1日1日大切に悔いの無い生活してください!」と、自身のみらいラボでの出来事を踏まえながら、生徒への激励のメッセージを届けてくれました。


生徒たちと一緒につくりあげた「あなたにとってみらいラボとは?」という質問ボードには、たくさんの生徒たちから「楽しく人とつながれる場所」「家族的存在のスタッフがいる場所」「自分が成長するチャンスをくれる場所」といった声が挙がり、改めてこのみらいラボが生徒たちにとって大切な場所であることを再認識させられる良い機会でした。



「みらいラボお気に入りスペース総選挙」では、よく利用する場所、好きな場所をシールを使って投票してもらい

ました。特に人気だったのは、放課後に一息ついける「cafeふぅ」や、落ち着いて勉強や探究活動に打ち込める

「アクティブスペース」、スタッフと話したり、違う学年の生徒との接点が生まれる「受付前」でした。

生徒たちにとって、みらいラボは自分にとって安心できる場所だけでなく、自分のやりたいことに打ち込んだり、人との新しい繋がりが生まれる場所になっていると感じることができました。


■多くの人の思いに支えられた「日常」を知り、これからの未来を描く

みらいラボの歴史を知ることは、これまで支えてくれた多くの人の思いに触れる機会でもありました。

ご支援いただいている皆様からのメッセージを紹介したうえで、改めて思い返した支援への感謝やみらいラボ、そして未来の自分自身に向けて、各々の思いや目標、宣言をメッセージカードに書きました。

以下、生徒からのメッセージの紹介です。

「僕がこの高校に入ろうと思ったきっかけがみらいラボです。勉強の充実や新しい自分を見つけられたりしました。今後も、勉強など有意義に活用したいです。」

「勉強が分からなくなった時や、疲れている時に、スタッフや友達を話すと気持ちが落ち着きます。今後、自分の興味のあることにも挑戦していきたいです。」

「今は私は高校2年生です。みらいラボには高校1年生の時から通っています。今では、家族のような存在のカタリバスタッフや友人に囲まれています。みらいラボがあったからこそ、繋がれたのだと思います。」


みらいラボに関わる多くの人々の思いである「子どもたちが自分たちの未来をつくるための実験の場」としての役割を果たせるように、これからも生徒にとって未来への挑戦の場、かつその挑戦を応援し続ける場として、成長するみらいラボを創っていきたいと思います。