OECD東北スクール in Paris!!!
今、コラボ・スクールの大槌・女川の生徒が、パリに来ています!
彼らの目的は、世界中の人たちが集うパリのエッフェル塔の下で、東北の魅力をアピールするイベントを行うこと。
2012年3月から参加してきた『OECD東北スクール』というプロジェクトの集大成としてイベントを行うべくパリまでやってきました。
OECD東北スクールは、岩手、宮城、福島3県の高校生約100人が参加している復興教育プロジェクトです。2年半にわたり、合宿や地域での活動を行ないながら、イベントの準備をしてきました。
大槌・女川からは2人ずつ、計4名が参加しています。
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大槌チームは、福島県大熊町の生徒たちとチームを組んでいます。
大熊町は原発の影響で避難区域に指定されている町です。現在は、同じ福島県内の会津若松やいわきに避難しています。
津波と原発。
まったく違う被災体験をした地域同士がチームを組み、お互いの体験を聞き合い、異なる体験があることに気づきました。そして、3.11と一括りにされることが多いけれど、それぞれに物語があり、感じたことは様々ということを伝えたいと、授業参観形式で自分たちの体験をスピーチすることにしました。
直接伝わるよう、日本語ではなく、英語やフランス語でのスピーチに挑戦!
何度も何度も練習を重ね、イベントでは、たくさんの観客の前でしっかりと自分の言葉で伝えることができました。
ブースには外まで人だかりができる程、多くの方々が足をとめ、生徒たちの話を聞きにきてくださいました。
1時間弱かかる1つのセッション中、ずっと話を聞いてくださる方、生徒たちの言葉にうなづいたり、涙ぐんでくださる方もたくさんいました。
聞いて下さった方々からは「とても悲しい経験だけど、それでもがんばっていて、本当に素晴らしいと思う」「ヨーロッパでは、原発のニュースは流れるけれど、今そこに住んでいる人がどうなっているかは伝わってこない。もっと多くの人たちがこの話を聞くべきだと思う」「君たちがこれからの日本を盛り上げていく存在だ。がんばってほしい。」といったとても嬉しい感想をたくさんいただきました。
世界中からたくさんの観光客が集まるエッフェル塔の下で、多くの方々に思いを伝えることができました。
以下に生徒たちのスピーチの一部をアップしました。
ぜひ生徒たちの言葉に耳を傾けてみてください。
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女川から参加している2人の生徒のテーマは「ふるさと」。
「私たちが育ったまちの風景は、震災でなくなってしまった。
そんな中でも変わらないものがある。それは、町民の家族のような温かいつながり。
たとえ風景が変わったとしても、変わらないものがある。
それが私たちのふるさとなんだ。」
世界の人みんなが持っている、「ふるさと」。
震災を通して気づいた思いを世界に伝え、かけがえのない「ふるさと」について、改めて考える機会を届ける企画を練りました。
ふるさとを伝える展示。
そして、女川町民なら誰でも踊れるまちのサンバを、パリの皆さんと踊ること。
この2つを通して、自分たちのふるさとを発信し、世界の人々にふるさとを問いかけます。
「さんまDEサンバ」では、会場が一体に!
「さんまDEサンバ」を通して、ふるさと女川の明るさ、温かさをパリの皆さんにアピールしました。
また、ブースを訪れて下さった方からは、「ふるさとについて今まで考えたことがなかったけど、当たり前だと思っているものについて、考え直してみたい」という言葉を頂きました。
その他にも、様々な地域の生徒たちが自分たちの想いを伝えるため、それぞれ趣向をこらしたブースを作り上げ、たくさんの人たちと交流しました。
時差ボケ、慣れない外国での生活、連日の準備で生徒達の体力は限界。
そんな中でも、約2年半の思いを伝えるべく、エッフェル塔前のシャンドマルス公園を生徒たちは全力で駆け抜けました。
プロジェクトは今回で一段落しますが、この経験を一人ひとりがどう活かすかは、生徒たち次第。
大槌臨学舎・女川向学館では今後も生徒たちを見守りたいと思います。
まずは、2年半、本当におつかれさまでした!!