奮闘!女川の中学3年生、試合に試験に立ち向かう!
宮城県女川町にてNPO法人カタリバが運営する、被災地の放課後学校コラボ・スクール女川向学館。
今回は6月上旬に行われた中学校総合体育大会、そして6月末の定期テストに向けた子供たちの様子をお伝えいたします。
日が暮れてから向学館に子どもたちがやってきました。
6月は運動部の大きな大会である、中学校総合体育大会があります。大会前の時期は練習が大詰めのため、部活動が延長となります。
精一杯練習をしてから向学館にやってくる子どもたち。授業時間を後ろにずらして学習に取り組みます。
部活動にへとへとな中でも、机に向かう子どもの姿が増えてきています。
4月になって「受験生」とも呼ばれるようになった中学3年生は、受験生としてのプレッシャーや最後の大会へ向けての不安など、様々な気持ちを抱えながら勉強に部活動に取り組んできました。
大会直前の授業では、それぞれのクラスで激励がありました。
「絶対勝つから!」と自信満々の子もいれば、「応援をがんばる」とチームを支える子も。
大会本番はスタッフがそれぞれの競技会場へ応援に行きました。
最後になるかもしれない試合に集中する3年生。
初めての合同チームでも安定してプレーする姿。
仲間の勝利に拳を突き上げて喜ぶ姿。
普段の姿からは想像もつかないような、真剣な表情で仲間を見守る姿。
相手校にも挨拶をしに向かう姿は、彼らがいかに部活動へ真剣に取り組んでいたかを伝えてくれました。
向学館では机に向かい、自分と戦う子どもたちが、部活動にも熱中して仲間と一緒に頑張っていたことを改めて知ることができました。
大会が一段落した後には、すぐに定期テストが迫ってきます。
テストに向けたスタッフとの面談では、子どもたち自身で目標を立て、改めて志望校を確認しました。
そんな中、自分で気持ちを切り替えて授業に取り組む3年生が増えてきています。
分からないところをまずは自分で考えて、スタッフに質問する姿が見られるようになってきました。
「勉強で困っていることはある?」
「この問題のどこが分からないか、自分で分かる?」
スタッフは子どもが自主的に学習へ向かう姿勢を伸ばすため、一方的に解説をしたり、介入をすることはあまりありません。
その分子どもたちが声を上げられずに一人で抱え込んでしまわないように、学習の進捗状況を把握し、声をかけていきます。
自習の時間は、子どもたちが個人でテスト対策のワークや過去問、向学館の教材に取り組みます。
自習室は一人一人が勉強に集中できるよう、個別のパーテーションで区切られています。その一人だけになれる空間がよいという子もいるのでしょう。休憩時間も個別のスペースで机に向かう姿も見られました。
テスト前の期間では、授業後も向学館で自習ができるよう、開校時間を延長しています。
通常授業の後にも自習に残れるようになってからは、「授業終わったけど自習していく!」と積極的に自習室に向かう子が増えました。中には授業終了のチャイムが鳴ると同時に自習室に向かう子まで。
「まだ点数が足りない。今のうちにこのくらいは押さえないと…。」
小さな声で伝えてくれた彼女には、焦りの色が浮かびます。
自習室の静かな環境を崩さないよう、質問がある子は廊下に出てスタッフに問題を解説してもらったり、授業でのつまづきを担任のスタッフとおさらいします。
しかし友達と一緒に残れる時間でもあるため、集中力が続かないこともしばしば。
授業中に集中して勉強に取り組めなかった子は、担任のスタッフと相談して一人で自習できるか意志を確認します。
その中で、一度スタッフと相談して帰る選択をした子が、次の日にコンディションを整えて再び自習室にやってくることもありました。
彼はその日、最後まで粘り強く自習に取り組みました。
子どもたち全員が定期テストに向けて良い状態で学習できるよう、子どもたち自身も意識してきています。
さて、ついにが前日に迫ってきました!
今日も子どもたちは勉強に向き合うため、向学館にやってきます。
部活動やテスト勉強と、目の前に押し寄せてくるものに一生懸命の子どもたち。
これからも彼らの様々な表情を見守りながら、サポートしていきます。