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地域と学校をつなぐ〜学校支援地域コーディネーターという仕事〜

2016.6.30

コラボ・スクールという名前に込められた思い。
それは、さまざまな立場の方々との「コラボレーション」を大切にしたいというもの。
今回は、その重要な「コラボレーション」の一つについて、お伝えしたいと思います。

 

 

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2013年、大槌町教育委員会伊藤教育長の「震災で傷ついた町が目の前にある今だからこそ、地域から学ぶことがあるのではないか」という思いから、大槌町教育委員会は「学校支援地域コーディネーター」の配置をはじめました。

 

大槌町内各学校と地域との学習活動におけるコーディネートを担う仕事が「学校支援地域コーディネーター」です。

 

コーディネーターは2名配置されており、1名は大槌出身の方です。
震災後、町内にあった本屋が全てなくなってしまった際に、
ご自身も被災されている中、「子どもたちや大人が本を選ぶ楽しみ 、本を通して感じる温かさをしっかり受け取ることができるように」という思いで、ご夫婦で新たに本屋を立ち上げた方です。

そしてここ、大槌臨学舎からも、創設当初から1名のスタッフが「学校支援地域コーディネーター」として、学校と地域をつなぐ活動をしています。

 

 

その任務は、大槌町が進める「ふるさと科」の取り組みのお手伝いをすること。

この「ふるさと科」は、小中一貫教育の特設科目として平成25年度からスタート。
地域の方々が「先生」となり、ふるさとを学ぶ活動は、全国的にも注目を集めています。

「ふるさと科」の柱となるのは、「地域への愛着」「生き方・進路指導」そして「防災教育」。
学校ではこの3本柱に基づいて授業を行っていくのですが、毎回の授業ーー例えば大槌の特産である鮭の学習をするにしても、鮭について教えてくれる地域の方を先生自身が探すことは容易なことではありません。

そこで助けとなるのが、学校支援地域コーディネーターという存在です。
授業にあった地域の「先生」を学校につなぐという役割を担っているのです。
また、このふるさと科の取り組みを大槌町の方々に知ってもらい、学校の応援者を増やすことも、大きな任務です。

 

そのほか、職場体験先を探したり、地域に学校の行事を知ってもらうようなカレンダーを作成することも任務の一つです。

 

カレンダー

学校の予定がびっしりと書き込まれたカレンダー。臨学舎でも活用しています

 

「地域コーディネーター」としての活動に参加させていただいてから3年。

ふるさと科の授業が一層充実したものとなるよう、リーフレットが作成されました。その作成に、臨学舎スタッフも参加させていただきました。

佐々木、のりさん

左:今年度コーディネーター佐々木、右:昨年度コーディネーター長濱

全部で13冊にのぼるリーフレットのテーマは、先ほど挙げた「ふるさと科」の三つの柱に基づいたもの。
実際に子どもたちが活動している写真や町の方々のインタビューなどを交えながら、わかりやすく紹介されています。

 

全体図

 

一つ目のテーマは「地域」。
大槌の主要産業である漁業、町の一大イベントであるお祭り、「くるみっと」や「しょうず」といった郷土食など、
大槌町の魅力が込められています。
大槌の伝統

 

二つ目は「仕事」。
大槌町を支える仕事が紹介されているほか、実際に働いている方々の声も掲載されています。
商業
子どもたちが毎年参加している職場体験の様子も紹介されており、仕事が身近に感じられる工夫が随所に散りばめられています。

 

そして、三つ目のテーマが「防災」。
さまざまな災害の中でも、特に焦点が当てられているのは「地震」、そして「津波」です。
津波にそなえる

先の震災による被害、その経験を生かし、命を守る防災の方法がまとめられています。
また、復興に向けて変わりゆく町の姿や、まちづくりの計画まで、
まちの過去と今、そして未来を詳細に伝えています。

コラボスクールの取り組みも紹介していただきました

リーフレットをめくっていくと、大槌のまちづくりの主役が子どもたちである、ということに気づかされます。

震災からの復興、それを担う子どもたちに向けて伝えたい「町の人々の思い」が、このパンフレットには詰まっています。

 

その思いを子どもたちへとつなぐ、「学校支援地域コーディネーター」という仕事をこれからも大切にしていきたいと、私たちは考えています。