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【支援の受け手から担い手へ】かつての「生徒」の現在地。

2016.9.08

「先生、久しぶり!」

この夏、大槌臨学舎には少し大人になったかつての「生徒」たちが何人も顔を出してくれました。

佐々木咲弥さん(20)もその一人。高校生の時に大槌臨学舎で様々なプログラムに参加しました。
そして大学3年となったこの夏、今度は支援の「担い手」となって、10日間のボランティアとして大槌臨学舎で活動をしてくれました。

今回は彼女に震災当時のこと、そして支援の担い手となったこの夏の経験から気づいたことを語ってもらいました。

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佐々木 咲弥さん(20)

大槌町出身。中学3年の卒業間近に東日本大震災を経験。
その後、2012年〜2014年の高校時代にコラボ・スクール大槌臨学舎へ通い、
英会話プログラムや合宿プログラム「キズナハイスクール」に参加。
現在、東北福祉大学心理学科3年生。

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■3月11日、川に船が流されてきた。

当時は中学3年生。震災の当日は卒業式前日でした。午前だけ学校に行って、家で震災を体験しました。
家の中も外もグチャグチャになって、妹が泣いていました。サイレンが鳴って、避難訓練の通り高台に避難し始めたけど、自分も周りもそんなに焦ってる感じではなかったと思います。
だけど消防士の方が「そこまで水が来てるから逃げろ」って言っていて、焦って高台に逃げました。下水がガーっと上がり、そしたら川に船が流されてきて、川が溢れていました。朝になると水が引いて町は泥だらけに。
 
幸い両親とは再会できて、津波警報が鳴っていて道がダメだと聞いたけど、無理やり親戚のいる盛岡へ避難しました。
そこでテレビを見て、私は初めて津波の惨劇を知りました。

■大槌で始まった高校生活、そして大槌臨学舎との出会い。

大槌へ戻ったのは4月中旬。
みんなで片付けをして、制服もなかったので中学校のジャージを来て高校に通学していました。

大槌臨学舎を知ったのは、町で説明会をやっていたから。
説明会をうけて、英会話プログラムの受講と合宿プログラムへの参加を決めました。

高2の夏に行った合宿プログラムでは、高校生同士で復興未来図を考えたり、色んな企業を回って発表をする機会がありました。
私は普段目立つタイプじゃないんですが、サポーターの大学生に背中を押されたりしながら、人前で手を挙げて発表したりと、きっと自分一人じゃ絶対にやらない経験を沢山しました。

そして、帰る前にスタッフの人に言われた「期待してるぞ」という言葉がすごく嬉しかったのを覚えています。
小中学生の私は学校の先生とすごく仲良くなるというタイプではなくて(笑)、目をかけられたこともあまりありませんでした。
でも内心もっと目をかけられたかった気持ちもあって、だから尚更その一言が嬉しかったんです。

その後の高校生活では、ボランティア活動をしたり、町内の復興に関する会議にも出席したり、とにかく何かあれば参加していたと思います。

■大学生活、今度は支援の担い手へ

大学生活では何もできてなくて…。でも、「何かしたい」って気持ちはありました。
授業の中で企業のインターンシップに行くというのがあったんですが、それもなかなか心惹かれず。それで大槌臨学舎に行けないかなって思って、当時お世話になったスタッフの方に連絡してみたんです。

色々刺激をもらったのが大槌臨学舎だったので、今度は自分もそういう立場になりたいなと思ったし、また今度もそういう刺激をもらえるんじゃないかと思って今回のボランティアに至りました。
 
また、私自身も学校に行けない時期などあって、その時にスクールカウンセラーや保健室以外のもっと敷居の低い相談場所があったらいいな、作りたいなって思っていたんです。だから、そういった運営面も学べるかもしれないと思いました。

■子どもたちにとっての「サードプレイス」という役割。
実際に始めてみて思ったのは、まずは「勉強」の大切さ。自分も中学校の時にこれくらい勉強について考える機会があれば、もっと勉強してたのかもって思いました。それ以外にも「学習を通した心のケア」とか、できることって沢山あるんだなって思ったし、意外と自分も勉強を教えることが楽しいかもって。
また勉強だけじゃなくて、バランスが難しいんですけど、先生と話したくて来ている生徒もいるし、「サードプレイス(第三の居場所)」の役割があるんだと改めて思いました。私はいま心理学を学んでいるんですが、もし臨床心理士の資格を持っていたら大槌臨学舎の中に生徒の話を聴くための部屋をつくりたいとも思いました。

また今回関わった生徒たちが受験に向けてどうなっていくかも気になります。
機会があれば、また大槌臨学舎に関わりたいです!

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<現在の大槌臨学舎>

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震災当時コラボ・スクールに通っていた生徒たちは、現在20歳前後の世代となりました。

支援の受け手から、復興、そして地域の担い手へ。
佐々木さんのような事例は、受け手から担い手へ変わる連鎖の芽吹きなのかもしれません。

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【教えることが怖かったのに、今は教師を目指しています。】

中野明日佳さん

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