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【念願の新校舎へ】仮設校舎からの引越し

2016.11.03

9月下旬の土曜日。

大槌学園には軍手を片手に、たくさんの人が集まっていました。

その顔ぶれは、学校の先生や生徒のみならず、保護者、地域の大人たちなど様々です。

 

この日、週明けに控えた新校舎移転に向けて仮設校舎からの引越し作業が大詰めを迎えていました。

 

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東日本大震災によって、大槌町は学校教育の側面でも大きな被害を受けました。

 

津波による浸水や火災などにより、大槌町内にあった小中学校うち7校中5校が使用不能。

その後は残存した小中学校や高校の空き教室を使用し、授業を行いました。

 

そして、2011年9月に応急で建てられた仮設校舎での学校生活が開始。

当初、被災5校が同じ敷地内で学ぶなど、変則的な学校運営を求められたこともあったといいます。

 

2013年4月には被災した小学校4校を統合し、新「大槌小学校」として再編。

更に2016年度からは大槌小学校、大槌中学校が統合し、小中一貫校「大槌学園」として新たにスタートを切りました。

 

仮設校舎

 

 

しかし生徒たちがこの5年間学校生活を過ごしてきたのは、あくまでプレハブの「仮設校舎」でした。

現在の小学校5年生で言えば、震災以前の校舎に通った経験はありません。

 

それが震災から6年目を迎えて学校の体制も変わり、いよいよ本設の新校舎へ移転する時が来たのです。

 

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大槌臨学舎のスタッフも微力ながらこの引越しのお手伝いをさせていただきました。

作業も終盤に近づいてきたこの日は、職員室や倉庫の荷物、また部活動で使用する金管楽器などの運び出しを行いました。

 

そしてお昼前、ついに最後の荷物の運び出しの時がやってきました。

 

最後の荷物は金属製のゴミ箱。

これは被災して使用不能になった大槌北小学校から持ってきてこの5年間使っていたものです。

トラックに積み終わると、自然と拍手が起こりました。

トラック

 

 

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本設校舎

 

9月26日(月)、新校舎での学校生活が始まりました。

新しい教室、広い体育館、ピカピカの廊下。

生徒たちも「新校舎、すごい!」と口を揃えます。

 

新校舎では、大槌臨学舎に通う生徒が利用できる自習室の運営も始まりました。

文化祭の準備などで忙しくしながらも、毎日生徒たちが訪れては宿題やテスト対策に励んでいます。

 

また、隣の部屋には子どもたちを支える地域の教育機関の皆様もいます。

そんな環境の中、私たちも改めて「学校と地域で子どもたちを育てていく」ということを学ばせてもらっています。

 

自習室

 

震災を乗り越え、少しずつ復興に向かう大槌町。

歴史を引き継ぎつつも、新しい校舎でまたたくさんの思い出が生まれることでしょう。

変わりゆく環境の中、引き続き私たちにできることを試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思います。