「おちゃっこ」で引き出す子どもたちのホンネ
「おちゃっこ」という言葉をご存知ですか?
宮城や岩手など東北で使われる方言で、「おちゃっこしない?」と
ここ大槌町でも、ご近所の方や友人同士で集まっては、あらゆると
そんな「おちゃっこ」を、臨学舎でも始めることになりました。
普段の授業や自習室では先生と生徒ですが、「もっと身近な存在と
また、震災を経験し、友人や家族、学校の先生には言えないような
対象は授業に参加している中学1年生から3年生、全75名。
「おちゃっこ」の開催を聞いた生徒たちからは、
「えー、先生と二人きり!」
「三者面談とは違うの・・・?」
戸惑いの声もあれば、
「いやだ〜めんどくさい」
「先生に話すことなんて・・・ない!」
と、拒否する生徒の姿も。
それでも「なんでも話を聞くよ!」というスタンスを伝え、なんとか生徒たちとの時間を確保。
臨学舎スタッフ総出で、第一回目の「
* * *
「温かいお茶がいい?冷たいお茶がいい?」
そんな会話からおちゃっこは始まります。
いつもふざけて、怒られてばかりいるある男の子は、1対1での会
好きなゲームや部活動の話題から話を始め、緊張をほぐしていきま
話を進めるうちに、話題は将来のことに。
ものづくりに関わっている祖父に憧れているという彼は、多くの生
「でも、今の学力では合格は難しいかもしれない・・・」
進路についての悩みはあるというものの、彼が「頑張る理由」を知
話をする中で自分の「本音」に気づき、目標を見出した生徒もいま
普段落ち着きがなく、勉強もどちらかといえば苦手なある男の子で
運動部に所属していますが、レギュラーに入れる気配もなく、練習
「どうせ俺なんか」が彼の口癖でしたが、よくよく話を聞いてみる
最後には「この角度からのシュートを1日○本入れる」という具体
被災地ならではの悩みもありました。
震災の時に仲の良い友だち数名が町から引っ越してしまい、そこか
仮設住宅に住んでおり、集まって遊ぶのには友だちの家に行くしか
小学生の時に震災にあい、その時に勉強が不十分だったこともあっ
どれも、いつもの元気な様子からは全くうかがい知れない悩みでし
また、震災当時の話を打ち明けてくれる場面も。
「今だから言えるけれど、怖かった」「津波の光景を今でも思い出
震災から間もなく6年。
生徒たちなりに、震災という出来事を少しずつ受け入れ、表現する
私たちはただただ耳を傾けることだけで精一杯ですが、生徒たちも
あっという間に30分が終わってしまい、生徒たちからは「時間が
最初は嫌がっていた子どもも、終わってみれば「意外と楽しかった
中には「全員の先生とおちゃっこしたい!」という生徒もいて、今
普段からスタッフとのコミュニケーションが取れるよう、こんな「
前述のシュート本数を目標にした生徒からは「シュートが入るようになりました」という嬉しい報告がありました。
* * *
私たちが目指すのは、臨学舎に「保健室」をつくること。
それは「誰にも話せないこと」でも「誰かに話したいこと」を受け止めてくれる場所です。
家族でもない、友人でもない、先生でもない「ナナメの関係」だからこそ引き出せる子どもたちのホンネを大切に受け止め、
その気持ちに寄り添っていきたいと思います。
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まもなく中学3年生は受験に向けて大切な時期を迎えます。
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