【被災地・大槌より】被災地の小学生×中学生の語り合う時間〜コラボ・スクールだからできること〜
岩手県大槌町にて認定NPO法人カタリバが運営する、子どもたちの放課後の学びの場と居場所「コラボ・スクール 大槌臨学舎」。
だんだんと日暮れが早くなる11月。
子どもたちも「寒い〜!」と耳を赤くして大槌臨学舎にやってきます。
前回のブログでは、大槌臨学舎に通う中学生が、東京からきたお兄さん、お姉さんの話を聞いた様子をご紹介しました。→前回の記事はこちら
NPOカタリバが大事にしている、“ちょっと年上の先輩と語り合う場”。
いつも一緒にいる友達でもない、いつも親や学校の先生でもない、少し年上の先輩の話を聞くことで、さまざまな生き方を知り、自分を見つめるきっかけを作っています。
大槌臨学舎では、その語り合う場を、多様な世代で展開しています。
■小学生×中学3年生の語り合う場
今回は小学生が中学生の話を聞く場です。
いつも元気いっぱいに臨学舎に通ってきている小学生たち。
勉強やスポーツなど、みんなそれぞれに頑張っていることがあります。
その自分のがんばりに気づき、お互いに認め合ってさらに高め合えるクラスになってほしい。そんな思いを込めて、今回は中学3年生の話を聞いてもらうことにしました。
そして中学3年生は、部活を終えていよいよ受験に向けて本格的に勉強を始めている時期。
自分は将来どんなことをしたいのか、どんな高校生になりたいのかを真剣に考えながら受験勉強に励んでいます。
そんな彼らのいま考えていることを小学生に話してもらいました。
「高校に行って、部活を頑張りたい。」「こんな高校生になりたい。」
「そのためにいま受験勉強をがんばっているんだよね。」
緊張しながらも、自分の言葉で語ってくれた中学生。小学生も真剣に聞きいっていました。
■先輩のがんばりを聞いて感じたことは?
話を聴き終えた後は、自分について見つめ直す時間。
小学生たちは、いま自分の頑張っていること、もっとやってみたいと思っていることをワークシートに書いていきました。
「『勉強以外は誰にも負けたくない』という言葉が心に残った。」
「算数が苦手だからまずは計算から頑張りたい」
ぽつぽつとでてきたみんなのがんばりたいことを、大きな紙に書き出して掲示することにしました。
お互いにそんなこと考えていたんだ!という新しい発見もたくさん。
普段学習する教室に掲示し、いつでも振り返られるようにしました。
■自分のがんばりも仲間のがんばりもみんなで応援していく
そして話をしてくれた中学3年生の先輩たちにも、感謝の気持ちを込めてメッセージを書きました。
「ぼくは、勉強が嫌いで運動が好きなので、勉強をがんばりたいと思いました。」
「コラボに入って成績が上がったというのはすごいと思いました。これからも頑張ってください。」
小学生からのメッセージに、中学生も少し照れ臭そうに受け取っていました。
自分や仲間のがんばりを認め合い、褒めあうことの大切さ。
そしてこうした機会に書いた自分の言葉を残すことで、あのときこんなことを聞いたなあ、考えたなあ、と未来の自分を励ますものになるでしょう。
何気ない会話や授業でも「認め合い」「褒めあい」の言葉が少しでも出てくるように、スタッフも子どもたちのがんばりに向き合い続けていきます。