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東日本大震災から8年を迎える大槌町の移り変わりと、学びの場の変化

2019.3.07

岩手県大槌町にて認定NPO法人カタリバが運営する、子どもたちの放課後の学びの場と居場所「コラボ・スクール 大槌臨学舎」。

 3月に入り、岩手県大槌町でも暖かな日が差すようになりました。

 

■東日本大震災からの復興の様子

 

まもなく東日本大震災が発生してから8年。

町内は復興工事が進み、様々な場所が変わってきました。 

2018年6月にオープンした文化交流センター「おしゃっち」。

 

 

下の2枚の写真は、大槌町の中心にある「城山」から撮影したものです。

防潮堤や、中央の大きな建物「おしゃっち」など、道路や建物が整備された様子がよくわかります。

2011年の大槌町。

 

 

2018年3月の大槌町。

 

大槌町内では、自宅再建や、災害公営住宅への転居が進んでいる一方で、およそ400人弱の町民が、未だ仮設住宅に住んでいます(2019年2月現在、岩手県復興局生活再建課より)。

点在する仮設住宅団地の集約が行われることにより、仮設住宅からまた別の仮設住宅へ、引越しを余儀なくされる方もいます。

 

こちらは、町内でも大きな盛土工事が行なわれている安渡地区。

現在、綺麗にならされた土地には、ようやく住宅が建設され始めました。

 

2018年3月撮影。

2019年3月撮影。

  

 

ここに立つ「木碑」は、2012年当時の男子高校生が地域の方々と共に建てたもの。

『大きな地震が来たら戻らず高台へ』という教訓は、地域の方々とともに話し合って決めました。

「朽ちる木碑を4年に1度の建て替えを行うことで、教訓を引き継ぎたい」という想いから、ここに建てられました。2017年に1回目の建て替えが行われ、次回の建て替えのために募金箱が設置されています。

 

 

現在、大学生になった彼は、同じように自分の興味関心ごとについてプロジェクトを起こしている高校生の発表の場『全国高校生MY PROJECT AWARD2018岩手県大会』にて、審査員を務めました。

マイプロジェクトアワード岩手大会についての詳細は、こちら

  

 

 

■大槌臨学舎の8年間の移り変わり

 そんな町の変化とともに運営を続けてきた臨学舎。

臨学舎が開校したのは、2011年の12月。

当時は町内の集会所やお寺をお借りしてスタートしました。

 

 

  

その後、プレハブの校舎を経て、2013年に現在の大槌臨学舎が完成しました。 

 

 

現在の大槌臨学舎の校舎。

 

 

震災から月日が経つと同時に、変化し続けてきた臨学舎。

子どもたちにとっても、臨学舎での過ごし方は勉強だけでなく、スタッフと話したり、マイプロジェクトをやったりと、多様な活動をするようになりました。

 

スタッフだけでなく、ボランティアやゲスト講師としてたくさんの人がやってきます。

  

しかし、移りゆく中でも変わらず大切にしてきたことは、「子どもたちが安心・安全に学ぶことができる場であること」。

 

震災当時からめまぐるしく変化する町の中で過ごす子どもたちにとって、落ち着いて勉強ができ、放課後の居場所としての役割を変わらず担ってきました。

スタッフたち自身で検定や自習時に活用できる教材を揃え、子どもたちが自ら学習できる環境を整えています。

また、学習の進め方を身につけられるよう、手順を示す掲示物を作成するなど、主体的に学べるための工夫を凝らしています。

 

検定教材を揃えているコーナー。

 

学習のフローを示した掲示物。

 

こちらはスタッフがこれまでに見たワクワクする世界、心に残っている景色を子どもたちに紹介しているコーナー。

子どもたちのやりたいこと、好きなことを見つけるきっかけになるようにと、掲示を始めました。個性的な写真やスタッフの学生の頃の写真に、子どもたちは興味津々です。

 

 

 

 

■激しい環境変化の中で、安心して学べる場所を

 

震災から8年目を迎える大槌町の子どもたち。

仮設住宅から本設の住宅への引っ越しや、学校も仮設校舎から新しい校舎への移動など、環境変化の激しい中で子どもたちは過ごしています。

そんな中で、自分のペースで学ぶことができ、全国各地から集まるスタッフと交流しながら、新たな世界を知ることができる。

大槌臨学舎は、設立してから変わらず大切にしている「子どもたちが安心・安全に学ぶことができる場」を、これからも子どもたちに届け続けていきます。