震災から10年目をむかえる節目に、大槌高校内に校舎を移転して活動をスタートしました!
▮新校舎の開所式を執り行いました
コラボ・スクール大槌臨学舎は令和2年6月24日に新校舎での開所式を執り行いました。
新校舎は町内唯一の高校である岩手県立大槌高等学校内の2教室をお借りし、運営してまいります。県立高校内に放課後の学習施設が入るのは岩手県内で初めての取り組みとなります。新しい学びの形をこれからも日々探究していきます。
本記事では、新しい学びの場の紹介と開所式の様子をお届けしたいと思います。
▮新しい学びの場へ 引っ越し作業
大槌高校は現在校舎の改修工事中で、今年の5月に教室棟がリニューアルされました。
臨学舎は教室棟の2教室を借りて、運営を行ってまいります。
引っ越しの際には、地域の方や高校の先生方、生徒、卒業生などの協力をいただきながら、素敵な空間に仕上げることができました。内装の全体デザインは大槌高校卒業生の佐々木さんにお手伝いいただき、旧校舎の面影を取り入れつつ卒業生や在校生とイメージを膨らませ作成しました。
全体デザインをお手伝いいただいた大槌高校卒業生の佐々木 裕未さん(写真中央)
▮コラボ実行委員会設立!
校舎の引っ越しでは、生徒たちも大活躍!
生徒たちからの「新しいコラボを作るお手伝いをしたい。」という想いと、スタッフからの「生徒たち自身が新しいこの場所を作る経験を通して、今まで以上に臨学舎に愛着をもち、自分たちがこの場所を作る主人公であるという意識を持ってもらいたい」という想いが重なり、コラボ実行委員会が組織されました。
コラボ実行委員会の生徒たちがペンキを塗る様子
有志で集まった生徒たちは、コラボに置く椅子のデザインを選び、校舎内の雰囲気に合わせて机の色を塗り替えのお手伝いにも積極的に取り組んでくれました。
楽しみながら作業に取り組む生徒の姿に、頼もしさを感じました。
高校の先生方にも手伝っていただきました
また、大槌高校の先生方も時間を見つけて引っ越し作業のお手伝いに来てくれました。
「今後、生徒たちにはこんな風に使ってもらいたいな。」
と夢を広げながら一緒に作業を進めていきました。
完成が近づくにつれて、外から教室内を覗く高校生が増えてきました。
「カフェみたい!」「床がオシャレ!」と感動の声が聞こえてきました。
これからは高校生を巻き込みながら、生徒にとってより居心地の良い空間を一緒に作っていきたいと思います。
完成したコラボスクールの様子
■開所式
6月24日(水)に開所式を執り行うことができました。
当日は、大槌町長平野様をはじめ、(以下、敬称略)大槌町教育委員会、大槌町議会、大槌高校、大槌学園、吉里吉里学園、PTAの皆様にお越しいただきました。
今回は、新型コロナウイルス感染予防のため最小限の人数でソーシャルディスタンスを保った状態での実施となりました。岩手県教育委員会を始め、残念ながら開所式に参加することができなかった皆様にもこの場を借りて感謝申し上げます。
式の初めに、大槌臨学舎校舎長の渡邊から挨拶させていただきました。
「岩手県教育委員会の方々、大槌高校、大槌町のみなさんにこの場所をお貸しいただけたこと、本当にありがたく思っております。」
「ぜひこの場所を有効に活用する案を共に考え、大槌小中高が一体となった新しい教育の形を一緒に作っていきたいと思います。」
地域の皆さんと共にこの学びの場を作っていくという決意を伝えさせていただきました。
続いて、新天地に合わせて作成した、新しい看板をお披露目する除幕式を執り行いました。
震災直後に大槌臨学舎の看板を作成いただいた、有限会社クラモト塗装工芸様に作成いただきました。
新たな門出を祝う素敵な看板が、生徒を迎え入れる顔としてこれからの臨学舎を見守ってくれます。
次に、生徒代表の挨拶を行いました。
臨学舎に通う大槌学園9年生の生徒2名が在校生代表として参加してくれました。
「僕は大槌が大好きです。」
「僕にとっての学びとは、人生の選択だと思います。」
「周りに流されるのではなく、自分のいいと思った選択を信じてこれからも生きていきたいと思います。」
「私にとっての臨学舎は、人生を考えることができる場所です。」
「臨学舎のイベントで、東京の社会人の方と出会い失敗談を学ぶことができた。」
「その時初めて、自分の人生について考えることができた。」
「将来について考えるきっかけを作ってくれた場所なんです。」
二人の言葉から、学習だけではなく、様々なものを学べる場として臨学舎を捉えていることが分かりました。
私たちの日々の関わりが報われる瞬間でした。
また、大槌高校に通う臨学舎の卒業生からもメッセージをもらいました。
「中学生の時に、臨学舎で高校生の発表を聞いたときに、自分も自信を持ってやりたいをかなえられる人になりたいと思った。」
「臨学舎の先生たちのサポートで、自分に自信を持つことができた。」
「大槌高校に入り、やりたいことに向かって頑張れている!」
高校に入ってからも、自分のなりたい姿に向かって学び続けている姿を見ることができ、嬉しく思いました。
■終わりに
お越しいただいた皆様一人一人に想いを込めてもらい、無事開所式を終えることができました。子どもたちが一生懸命言葉を伝える姿、それを受け止める大人たちの温かい表情。対話を大切にするこの姿勢こそが、大槌町の教育を支えてきたのだなと改めて感じました。
今後私たちは、地域の方が気軽に立ち寄ることのできる開かれた学びの場として臨学舎を運営していきたいと考えております。
そして、ここに来る中高生がやりたいことにどんどんチャレンジできる場所を地域と共に作っていきたいと思います。高校内に拠点があるという強みを活かし、より多くの高校生を巻き込んでいくことで、臨学舎に通う中学生に「身近なロールモデルと出会い、ナナメの関係と対話で深くつながる経験」を届けていきたいと思います。
これまで臨学舎が大切に繋いできた想いを胸に、大槌町の学びの場として挑戦し続けて参ります。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。