最新のお知らせ

中学生もマイプロにチャレンジ!?

2021.1.29

 新年あけましておめでとうございます。
 2021年、3月には東日本大震災から10年を迎えます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

 新年明けて、1月4日から、中学生向けの冬期講習が始まりました。
 3年生は受験を控え受験勉強が本格的に始まりました。その裏で、1、2年生は、はじめての取り組みとして「マイプロ探究」のクラスを実施しました。希望者のみの選択授業ではなく、必修で取り組んでもらうことで幅広い生徒にきっかけを届けました。

※マイプロジェクト(マイプロ)とは?
高校生を対象に、生徒それぞれが自分の興味関心のあることをテーマにしたプロジェクトをつくっています。そのプロジェクトのことをマイプロジェクト(マイプロ)と呼びます。

 コラボ・スクールが大槌高校の中に引越してきてから、中学生たちは、マイプロを進める高校生たちの楽しそうな姿を見てきました。「マイプロ」という言葉はすんなりと彼らの腹に落ちているようです。

 

▶︎ 中学生版マイプロクラス

 大槌高校では総合探究の時間を使って、生徒それぞれが興味関心のあることをテーマにしたプロジェクト(マイプロジェクト)をつくっています。 

 今回の冬期講習では、中学生もマイプロジェクトをつくり、簡単なアクション(調べ学習)を起こすところまでを目標にプログラムを組みました。

 コラボ・スクールでは、ひとりひとりが自立した学習者になっていくことを目指しています。普段は、教科学習を手段としていますが、冬期講習では、”マイプロジェクトをつくる”という短期間のプログラムに取り組みました。マイプロジェクトをつくるプロセスには、自分の興味関心からテーマを決めたり、それに対して問いを立てたりなど、主体的に学ぶ要素がつまっています。

 これまでカタリバスタッフが高校生のマイプロジェクトの相談に乗るなかで、「彼らが中学生のときから少しずつ、このような主体的な学びに触れる機会をつくることができたら、高校生になるときに、マイプロジェクトをより自分の力で深めることができるのではないだろうか」と考える瞬間が多々ありました。今回の授業が、高校でマイプロジェクトに取り組む時に向けた、ひとつのきっかけになるといいなと思います。

 

▶︎ 中学生版プログラム

 授業内では、様々なワークに取り組みました。

 

 

 最初に取り組んだのが、やりたいことリスト50です。このワークでは、自分のやりたいことを50個自由に書き出します。ほとんどの生徒が半分くらい埋めたところで筆がとまってしまいました。制約を外し自由に書いていいよ、と伝えても出てきませんでした。

 おそらく、普段から、自分がどんなことに心が動くのかなど、自分について考える機会が少ないのだと思います。コラボ・スクールでもこういった機会を活かしながら、彼らが自分と向き合う時間をつくっていければと考えています。

 

 グループワークでは、一人一人が見つけたテーマ(例:プロレス)に対して、他の3人も一緒に問いを考えて広げていきます(例:プロレスの起源は?)。みんなが他の人のワークシートを覗き込みながら意見を出し合っていて、とてもよい雰囲気になっていました。自分の興味あることを伝えあうのは楽しいと実感してくれたのかな?と思います。ワークを通して、「人間がいない世界はどんな世界になるのか?」「バスケって何人審判がいるの?」「プロレスの魅力は何?」などなど、個性豊かな問いが生まれていました。

 問いを出すのは、自分がそのキーワードについての知識が少なくてもできることです。様々な人の視点が組み合わさることで、問いがより深まっていく効果もあります。また、問いを思いついた人も、周りの友だちが共感してくれる姿を見て嬉しそうにしていました。子どもたちが作る意見を出しやすい雰囲気に、スタッフたちも感心しました。

 

 

 次のアクションとして、調べ学習を行いました。インターネットを使ったり、その情報に詳しい友達や親にも相談したりしながら調べていきました。

 その後、調べた内容をみんなの前で発表してもらいました。身近なテーマを選んだ子は、とても楽しそうに自分の言葉で話すことができていたように感じます。また、普段は当たり前に受け入れていた「バスケの背番号は何で4番から始まるんだろう?」という問いを立てた子は、その問いの答えにたどり着いたことがとても嬉しかったようで、家庭でも自慢げに話していたそう。この調べ学習が彼女にとって、成功体験のひとつになったのかもしれません

 

 

▶︎ はじめてのマイプロ

 

 自分でテーマを探す、それについて問いを立てるなど、はじめての挑戦をした中学生たち。それぞれ楽しそうに、意欲的に、ワークシートを埋めていました。また、互いの出したアイディアや意見についてアドバイスをし合うことで、誰かと学ぶ意味を深めることができました。

 中学生たちからは、

「自分で調べる事柄を決めることができたのは楽しかった」

「興味あることを調べて、その調べた内容をみんなに共有できたのがよかった」

など、それぞれが充実感を感じたようでした。

 

▶︎ 今後の可能性

 

 中学生に対するマイプロクラスにチャレンジしたことは、スタッフにとってもよい学びとなりました。

 今後、3月にもマイプロクラスをつくることができそうです。今回のように「自分でテーマを見つけて、自分で問いを立てることができる」という考え方が当たり前になっていけば、授業の枠を越えて探究する生徒を増やしていけるのではないかと考えています。そうすることで、生徒たちの学びが豊かになり、学ぶことへの意欲がより高まっていくことを期待しています。