「~生徒ひとりひとりが持つ強みに誇りを~新スタッフ堀さん」
まえがき
皆さんこんにちは、コラボスクール大槌臨学舎です。コラボスクールには、4月から個性あふれる新しい職員や学生インターンも加わり新体制で運営をしています。今回のブログでは4月から新卒として入社をした北海道苫小牧市出身の堀美宇さんについて紹介させていただきます。どうぞご覧ください!
①どんな学生時代を過ごしたか、教えてください!
私は小学校低学年の頃どちらかというと周りに流されてしまうタイプでした。自分の意見を言えるタイプではなく友達とトラブルになってしまったり。そんな中、兄の友人から勧められた愛知県にある車の工場見学ができたり、同世代の人たちとディスカッションや発表をするようなプログラムに参加することになりました。初めは景品がもらえるからという動機だったのですが、実際にその場に行ってみると、考えを周りに発信をする機会がとても多く自分にとっても大きな挑戦の機会となりました。家族も友達も周りにいないそんな状況でも、最後までやり遂げることができたのが印象に残っています。
また、中学2年生の時にも兄の友人に誘われて市の国際交流事業に参加し、中国に行ったことがあります。そこで初めて海外の文化に触れる経験をし、ホームビジットで同い年の中国人とジェスチャーを交えながらの会話や、苫小牧市の紹介などを行いました。言葉が通じないながらも、ジェスチャーや表情で伝えたいことが伝わった楽しさを感じることができて、海外への関心と意欲が増しました。それだけではなく、苫小牧市の紹介をしたことが自分の住んでいる地域の良さを知る機会にもなり、地元の魅力を知るきっかけにもなりました。
大学の活動で外国人向けの防災体制についてインタビューをしている写真
②大学での経験を教えてください。
岩手大学の人文社会科学部で日本語学を中心に学びました。自分が変わった経験としては、大学1年の春休み、1ヶ月間フィリピンのマニラの語学留学に行ったことです。貧困の課題に触れたり、現地の人に物乞いをしている人の様子を見たり、自分が経験したことのない人たちとの接触があり、カルチャーショックを受け日本に限らず起こっている様々な社会問題に興味を持つようになりました。
また、活動の中で自分の意見を求められる場面も多かったです。「ヒトラーについてどう思う。」など、様々なテーマで問われ続けて、自分は何も知らないな。うまく伝えられていないな。と気づかされて、もっと自分の意見を言えるようになりたい!と強く感じるようになりました。この経験を経て、語学留学から帰ってきた後、海外研修や日本に来ている留学生と交流ができるプログラムに頻繁に参加するようになりました。
日本語教育の実習でタイの大学生に授業している写真
③大学・大学院での研究のテーマは何でしたか?
今の自分の関心と繋がっているのは、2018年の夏に陸前高田にて、留学生や日本のいくつかの大学の学生が集まって行われた防災合宿での学びです。4泊5日で防災系のワークショップを通して留学生と交流をしました。そこで衝撃を受けたのが、日本に住んでいる留学生でも、災害に対する知識や耐性がないということです。私はその時、災害の多い日本に住む外国人が安心して暮らせるよう、外国人向けの防災教育に力をいれることも大切で、それが外国人にとっての安心安全に繋がるのではないか。と感じました。偶然にも、合宿が終わった翌日に地元で大きな地震が起きて一時的に家族と連絡がとれなくなったことがありました。この出来事で災害は他人事ではないと改めて感じ、日本語学と防災、外国人にもわかりやすい日本語、「やさしい日本語」という研究分野に関心を持つようになりました。
臨学舎の中学生の学習サポートをしている写真
④コラボスクールにきたきっかけはなんですか?
私は、日本語学、防災というテーマの他に「居場所」にも関心をもっています。言語や災害、防災を学ぶためには、居場所があることが重要だなと思っています。大槌臨学舎のように場所としての居場所もそうですし、”地域との繋がりがあること”自体も大槌町の居場所の一つとしてだなと感じています。自分が実際にそれを見たり触れることで、自分の中で居場所ってなんなのかという問いを深めていきたいと考えています。また、大学から縁を持ち続けてきた岩手県の沿岸の防災・災害に関する自分の知識を深められるのではと思ったのもきっかけです。
臨学舎内ツアーをしている写真
⑤これから大槌や生徒と関わる上での意気込みを教えてください!
私が学んできた、言語・異文化・防災というテーマを通して、様々な出会いを届け、それによって大槌・自分自身の良さに気づけるような関わり方をしたいと思っています!これまで私は、英語圏に限らず多くの国の文化や言語に触れてきました。日本と海外はどうしてこんなに違っているのか。その背景を知ることで、外の地域の魅力だけでなく私が住む地域の魅力に気づくことができました。私だからこそ伝えられる視点で、生徒が大槌や自分自身に誇りを持てるような関わり方ができるのではと思っています!
そして、東日本大震災で被害を受けたこの地域で生まれ育ったからこそ、大槌の子どもたちが身に着けることができた防災意識や習慣があると思います。それは、子どもたちの大きな強みの一つなのではないかと思っています。今後の自分自身の研究テーマのためにも、生徒と対話をしながら、そのような姿勢や視点を学びたいと思っているし、それが強みとなることを知ってもらえるとよいなと感じています。
あとがき
今年度、学生スタッフを含め全部で6名で運営している大槌臨学舎。年齢や経験の異なるスタッフが常駐しています。普段からとても柔らかい表情で生徒と関わっている堀さん、新卒で入社し比較的生徒との年齢が近いこともあり、中高生が安心して学ぶことができているのではないかと思っています。今後も自信の経験を生かし、生徒も堀さん自身も輝き続けられるような臨学舎を運営していきたいと思っています。今年度も活動を暖かく応援していただけると嬉しいです。
コラボ・スクール大槌臨学舎では、大槌の中高生と関わり学習支援と対話を通して生徒一人ひとりと向き合い、子どもたちにとって身近な、 少しだけ未来の自分像を示す「ナナメの関係」の先輩として、この活動に中長期的に参加していただけるインターンを募集しています。
▼カタリバやコラボ・スクール大槌臨学舎で一緒に活動をしてくれる方、興味がある方はこちらのリンクから詳細をご覧ください。