ボランティア募集中野明日佳さん

教えることが怖かったのに、今は教師を目指しています。

中野明日佳さん (中学校臨時教師)


中野明日佳さん

現在、中学校で数学の臨時教師として活躍中。
2014年7月から1ヶ月間、大槌臨学舎にて教務ボランティア(ティーチング・アシスタント)として従事。
学習指導経験がなかった彼女が、「教員になろう」と決意したきっかけについて、お話を伺いました。


自分に教えられるか不安だった。
目の前の生徒への「想い」だけでカバーした。

大槌臨学舎に着任した直後は、これまで自分に学習指導経験がなかったので「自分に務まるのだろうか?」と不安でした。ただ、コラボ・スクールでは「メインの先生のサポート役で授業を手伝う」「判断に迷ったら他の先生にヘルプを出しても良い」ということだったので、「それなら自分にもできるかもしれない」と思いました。実際、その日に行う授業内容は、事前にチームで綿密に確認します。
それでも最初は勉強を教えることは怖かったし、悩んだりもしましたが、常に心がけていたことは、授業中は先生の目が行き届いていない生徒のカバー、授業外では積極的な声かけです。指導経験がないからこそ「自分にやれるだけのことはやろう」と。

私がサポートで入ったクラスの生徒に、勉強に対して「苦手意識」がある子がいて、最初はその子が何につまずいているのか、何を教えてあげれば良いのか分からずに悩んでいました。 そこで、担任をしている先生に相談したところ「その子の目線に立って『一緒に』考えていこう」とアドバイスをいただきました。それから「勉強が嫌いな子がどうやったら勉強を好きになるのか」「何がその子を勉強嫌いにしているのか」を、毎日授業の後に担任の先生と振り返りながら、日々改善していきました。

チャレンジした分だけ、返ってくる「成長」

3週間ほど経ち、徐々にその子との信頼関係ができてきました。そしてある日の授業で、私が教えた問題で「わかった!ありがとう!」と喜んでくれた時は、ものすごく嬉しかったです。
学校とは違い、10人ほどの生徒に1〜2人の先生という体制で授業を進めます。1クラスの人数が少ない分、目の前の生徒1人ひとりの「成長」や「学び」に全力で取り組む。正直、手を抜くこともできるとは思うのですが、一緒に働く人たちにはそれが全くない。だからこそ悩むし、その分「成長できるんだ」と思いました。

そんなコラボ・スクールの魅力の1つに「柔軟さ」があると思います。
教員・会社員・青年海外協力隊など、いろいろな経験を積んだスタッフがいて、「教育についてみんなで考え、みんなで創ってく」というスタンスを全員が共有しています。
だからこそ、私のような学習指導経験がない人の意見も、真剣に聞いてくれて、真剣に答えてくれます。「対、生徒」だけでなく「対、スタッフ(ボランティア、インターン、職員)」の成長にも全力で向き合う、そんな意識を強く感じました。

見えてきた、自分の「やりたいこと」

昨年大学を卒業し、なんとなく過ごしてしまっていた時に、友人に誘われてNPOカタリバの説明会に参加、その中で、はじめてコラボ・スクールのことを知りました。正直なところ「被災地の子どもたちのために」という想いと「自分のために」という想い、半々くらいで応募しました。
そんな中途半端な気持ちでボランティアに参加した自分でしたが、コラボ・スクールでの活動を終え、「教員になりたい!」と真剣に考えるようになりました。
それは、目の前の子どもたちと向き合い続けたことで、自分自身の中でたくさんの学びがあったからだと考えています。頭で「その子のことを理解しよう」と考えても、経験のない自分の想像力には限界があることに気づいたんです。

実は就職活動を振り返っても、頭で考えているだけで、実際に「動ききる」ということまではしていなかったな、と今は思います。「考えるより行動だ」という心境の変化が一番大きな経験でした。
現在は、中学校で数学の臨時教師をしています。そして、これから通信制の大学で特別支援の教員免許を取得しようと考えています。コラボ・スクールでの経験を通して「自分のやりたいこと」が明確になりました。あとはそれに向かって全力で「動ききる」のみです。

…最後に、コラボ・スクールでボランティアをしようか迷っている方へ。 迷っているなら参加するべきだと思います!「考える前に、行動」です。私自身、とても強く実感しているので、皆さんにもこの言葉を贈りたいと思います。 動いた分だけ、ぶつかった分だけ「成長」できる。私が飛び込んだコラボ・スクールは、そんな場所でした。皆さんも是非!

さまざまな想いを持って全国から集まったスタッフたちと一緒に、教育活動にチャレンジしませんか?


ボランティアに応募する