【被災地・女川より】「きちんとお別れができて良かった」~半年ぶりのスタッフ送別会~
今回は半年ぶりに実施することができた向学館スタッフの送別会の模様をお伝えします。
(向学館を2020年3月に卒業した3人の記事)
・子どもたちが創る「向学館の今日の授業」~中学1年生とインターン生の奮闘~
・震災を経験した大学生が、女川で学んだ「教育」とは ~毎日の積み重ねが大きな成長へ~
2月末に出された学校休業要請により女川向学館も対面での授業を中止することになりました。
そしてはじまったのが「オンライン女川向学館」です。
6月、ようやく対面での向学館のプログラムが再開したときのことです。
「りんぺいさん居なくなっちゃったの?」
と、中学2年生のある男の子がスタッフに聞いてきました。
中学3年生のある女の子は
「きちんと会ってお礼を言いたかったな」
と少し悲しそうな顔をしてスタッフに話しかけていました。
毎年向学館では、その年に卒業するスタッフの送別会を子どもたちと実施していますが、今年は、対面でのプログラムを3月は中止していたため、子どもたちと、きちんとお別れをできずに、スタッフは卒業していきました。
子どもたちの「きちんとお別れを言いたい」という思いを受け、向学館を卒業したスタッフの送別会を半年遅れの9月に実施しました。
サプライズとして子どもたちが書いた手紙を貼った色紙を準備する子どもたち。
「3人とも大好きだった」と語るある女の子は用意した手紙は1枚では足りず2枚も書いていました。
そして向かえた対面でのスタッフ送別会当日。
半年ぶりの再会に関わらず、まるで昨日会ったかのように子どもたちはスタッフへ話しかけます。
「部活の大会で優勝したよ!」
「あの子と仲直りしたんだよ!」
部活、恋愛、友達、積もる話はたくさんあるようです。
送別会がはじまりました。
まずスタッフから子どもたちへメッセージが送られます。
「今日会ってみんなが成長していることを実感しました」
「久しぶりにみんなの元気な姿をみれて嬉しかったよ」
「しっかり勉強してみんなの目標を目指してください」
「久しぶりに会って子どもたちの成長を感じました。その成長を子どもたちに、伝えることで別れたあとも頑張る原動力となって欲しいと思ってました」
と、あるスタッフが語りました。
▲子どもたちにメッセージを届けるスタッフ▲
いよいよサプライズの色紙です。
代表の子どもたちから3人に手渡しました。
色紙を受取ったスタッフは子どもたち1人1人からのメッセージをしっかりと受け止めていました。
▲色紙を渡す子どもたち▲
▲色紙をじっくり読み込むスタッフ▲
「受験勉強頑張るよ」と約束を結ぶ子がいました。
「去年教えてもらった英単語しっかり覚えているよ」とスタッフとの学びを忘れていない子もいました。
感謝を伝え、次の約束を結ぶ対話の時間がそこにありました。
▲スタッフと話しこむ子どもたち▲
▲バスが出発するまでスタッフと話す女の子▲
コラボ・スクールはナナメの関係を体現する若者が毎年来ています。
訪れる別れの場面。手紙で感謝を伝えたり子どももいれば、スタッフと最後の約束を結びそれに向けて頑張る子どももいます。
先ほども紹介した、手紙を2枚書いた女の子は帰り際、
「きちんとお別れできたよ。半年間頑張ってたこととか伝えられて嬉しかった。やっぱり直接会えるっていいよね。ありがとう」と言って帰っていきました。
たくさんの出会いと別れを経験しながら成長する子どもたち。
これからも子どもたちの成長を日々見守っていきたいと思います。
今年度も残り5か月。がんばっぺし!