受験シーズン到来~9年生を見守るスタッフにインタビュー~
岩手県立高校の入試日は、3月9日です。
毎年、コラボ・スクールでは、入試日の50日前に決起集会を行います。今年は、1月19日に行いました。
今年の中学3年生は12人。全員が志望校に入学できるよう、スタッフも最大限のサポートしていきます。
▶ 「入試のその先へ」
今年の決起集会のテーマは、「受験後の自分をイメージしよう」でした。一人一人が何のために受験に臨むのか。合格したその先をイメージしながら語り合いました。
最初は、みんなで模造紙一杯に、「受験が終わったらやりたいこと。」「受験後の自分にかけたい言葉。」「受験のご褒美でほしいもの。」など様々な問いの答えを付箋に貼っていきました。楽しそうに受験後の姿をイメージすることができました。
グループワークの後は、一人ひとりで内省タイムを取りました。自分は受験を通してどんな姿になりたいか。一生懸命考えました。
最後は、全員で円になり宣言タイムを設けました。宣言の時間では、「天才に近づくために」「自分を変えるため」「カッコイイ自分になるために」「安定した生活を得るために」など、個性豊かな受験後のなりたい姿を宣言していました。
なりたい姿を力強く宣言する生徒たちを見て、スタッフ一同、一層気が引き締まりました。
そんな決起集会を終えた9年生たちは、どんな学年だったのでしょうか?
この記事では、スタッフのインタビューも踏まえて、お伝えできればと思います。
▶ 今年の中学3年生は?
コラボ・スクールでは、自律した学習者を育てることを目指して、サポートをしています。生徒たちは、自分で目標を決めたり、学習スケジュールをつくったり、またスタッフとの面談を通して自分の強み、弱みを自覚しながら、それぞれの学習を進めていきます。
中学3年生の授業を担当し、生徒たちの様子を見守る、坂本さんにインタビューしました。
ー今の3年生をいつから担当してきましたか?
必修クラスとしては、中学1年生から受け持ってきました。長い子は、小学校の放課後クラスで小学3年生のときから見てきたので、6年目になりますね。
ー学年としての特徴はありますか?
同級生どうしの仲が良く、明るい子たちが多いですね。全体の雰囲気としてはのほほんとしています。自信のない子もいますが、卑屈になるような子はいません。
ー彼らががんばってきた点はありますか?
コラボ・スクールという場所・時間をいかに楽しむか、ということに挑戦し続けてきた学年ですね。お泊まり会を企画したり、前の校舎内に秘密基地をつくろう、と声をかけたときに率先して手伝いにきてくれたり、一生懸命楽しもうとしてくれていました。
一生懸命すぎて、授業の合間の休憩時間中にゲームで遊ぶ際には、次の始業ぎりぎりまで粘ろうとするかわいい一面もあります。コラボ・スクールへの愛着が強く、大掃除や新校舎のペンキ塗りを手伝ってくれるのもこの学年でした。純粋で素直な子たちが多いですね。
一方で、ほんとうに繊細な子たちが多いなとも感じます。一生懸命がんばってる姿や努力している姿をほかの人には見せようとしません。明るく振る舞おうとしている子たちが多いと思います。「弱さも魅力だよ、がんばる自分も、それぞれの個性だよ。」と伝えていきたいと思いますし、そんな姿を見せてくれたときに、受け止める場所でありたいと思っています。
勉強だけではなく、この地域の子たちは家のお手伝いもしています。それぞれの家庭にはさまざまな事情がありますが、それぞれが抱えている事情を見せようとしません。
お互いに面倒見がよく、なにかあるとすぐ動いてくれる子が多くいます。空気を読みすぎるところがちょっと心配なくらいです。
ー高校入試まであと1ヶ月をきりました。ラストスパートですね。
これから1ヶ月のがんばりが大事だと思います。それぞれのがんばり方、よりよくなる方法を一緒に考えながら、一人ひとりが、自分ががんばったからこそ手に入れた合格だ、と思えるような時間にしていきたいと思っています。
▶ あとがき
彼らの優しさはこれから同級生になる子にも向けられます。
大槌高校では、都道府県の枠を超え、他地域の高校に入学できる制度「地域みらい留学」を取り入れています。今年度1名が県外から大槌高校を受験する予定です。その子が入学する際に寂しい想いをしないようにと、高校の先生が大槌の中学生と県外の受験生がオンラインで交流できる機会をつくりました。そのとき、コラボ・スクールに通ってきている子たちは授業がない日にも関わらず、全員参加でiPadの前に集まり、いろいろおしゃべりしてくれました。
彼らの楽しい雰囲気、大槌のおおらかさはきっと画面越しにも伝わったはずです。
遠くから近くから、みなさんにも応援いただければと思います。
全員に「サクラサク」季節がきますように…