「今年の中3って損だよね」コロナ禍を過ごす受験生の今
「今年の中3って損だよね」
こう語ったのは向学館に通う中学3年生の男子。
彼が楽しみにしていた中学校生活最後の大会は中止。
思う存分、部活での時間を過ごせないまま引退となりました。
「楽しいことは無くなったのに受験はしなきゃいけないんだよ。なんか損をした気分」
とやるせない表情をにじませながらスタッフに本音を打ち明けました。
▲スタッフと話す子ども▲
コロナ禍は子どもたちの日常をすっかり変えてしまいました。
しかし先ほど中3の男子が語っていたように受験は待ってはくれません。
今回はコロナ禍の中受験を迎えた中学3年生の様子を紹介します。
昨年、2月27日の臨時休校要請を受けて向学館もオンラインでの授業を行いました。
・「コロナのせいで諦める1年にしてほしくない」~元国語教員佐藤敏郎先生が女川の子どもに届けた「言葉の授業」~
▲オンライン向学館の様子▲
オンラインの向学館では授業だけではなく面談も実施しました。
生活リズムの乱れや運動不足への不満など色々な声が上がるなか、中学3年生からあがったのが「不安」でした。
「今年って受験ってどうなるのかな?あるのかな?オンラインでやるのかな?」
と言っていたのはすでに受験モードの女の子。
ただでさえ不安な受験が、どうなるか分からないことでさらに不安に思っている様子でした。
「4月から自習室に通って受験勉強しようと思っていたのに」
と語っていたのは模試で点数が良くなかった男の子。
先輩がコロナ禍で学校へも向学館へもいけないまま受験に臨んだ話を聞きやはり不安に思っているとのことでした。
6月から学校も向学館も対面の授業が再開しました。
そうした中で聞こえてきたのは今度は「悲しみ」の声でした。
▲対面による授業を再開したころの向学館▲
行事や大会は縮小や中止を余儀なくされました。
とくに大会は中学校生活最後の大会だったので中止となると多くの子がショックを受けていました。
「仕方ないのは分かっているけどさ。やっぱり大会出れないのは悲しいよね」
最後の大会にすべてを賭けていたある女の子は悲しそうな表情で語りました。
例年は「最後の大会と引退」が受験に切り替わるスイッチとなりますが、今年はそれもありませんでした。
しかし、彼らはそれでも受験という現実に向き合っています。
▲受験に向けて頑張っている中学3年生▲
「損だよね」と言っていた男の子は今では毎日自習室に通って受験勉強をしています。
「大会も行事も無くなっちゃったから受験ぐらいは頑張りたいんだよ」
不安や悲しみは時間をかけて受験へのばねとなったようです。
受験までは残り50日を切りました。
コロナ禍により不満と悲しみを心に抱えながらも中学3年生は受験に向き合っています。
少しでも安心して受験に臨めるよう学習だけではなく心の面でも伴走していきたいと思います。